一億総活躍社会を掲げた安倍内閣の目玉戦略の一つでもある「働き方改革」が6月にいよいよ可決され、首相も「多様な働き方ができる社会を今こそ作り上げなければならない。強い信念の下、この国会で働き方改革を必ず実現する決意だ」と表明した。そんなさなかで企業の人事採用担当者はこの採用難の時代にいかに予定の採用計画通りに人材を採用させるか、欠員補充をスムーズに対応させるかに頭を悩ませていることではないでしょうか。
採用難をいかにしてクリアするか
現状数々の企業人事採用担当者様より、なかなかいい人が来ないこれまではハローワークに求人を出していたら数件はエントリー問い合わせが来ていたのだが、エントリーどころか応募がゼロ。他社の競争で人材の取り合いというよりかも、そもそもターゲットとずれた人しか応募がないなどの、採用に苦戦する企業人事担当者の苦悩の声が数多く寄せられております。そんな中でも企業によっては、なんでうちに応募が少ないのかを検証する動きもあり、私共人材エージェントも紹介会社の立場で意見を求められる場面が数多く出てきました。現状最大の悩みは、食品業界に関して言うと「年収の低さ」が一番に挙げられてしまいます。他業界の採用が活発化している産業と比べると段違いに見劣りしてしまい。食品業界でキャリアを構築してきた方々が他業界に流出してしまっている現状があります。私共食品業界を専門に扱っている人材紹介会社からしたら、非常にもったいない話で何とか年収面以外の魅力付けや働くことの意義、そしてキャリアを最大に活かすにはやはり食品業界で活躍していただくことの重要性を説くのですが、それでも収入という転職活動においての最大の意思決定に影響を与えるファクターではすべて吹き飛んでしまうこともあります。
企業によっては、既に年収レンジを一部手直しを加え調整給などの幅を持たせ同時に内定を持っている候補者に対しては他社より年収を出す企業もありますが、少数派といえるでしょう。年収をいじるという事は採用だけではなく既存の社員の年収を考慮する必要もあり、はたまた前者のベースを再検討する必要すら出てきます。たとえ採用が活発で人材難だから年収をあげて新たな候補者を募るということは、手っ取り早いようにみえて実はかなりの量力を要するはずです。年収をいじらないそれでも弊社に人材応募を募りたいという場合には、この働き方改革が整備される中で、自社の働き方や現在改革を行っている、もしくはもうすでに手を打っているなどのPRが非常に大事です。企業によっては営業部はどこの部署より早く仕事を終える環境が出来上がっているということを訴求し実際に応募者が増えたという例もあります。
食品業界で働く方々は、仕事のやりがいや業務内容そして専門性などを重視する傾向がありますので、自社独自で行っている現在の風潮に即した施策を転職希望者にアピールすることで、前職にはなかった魅力から応募喚起、そして内定承諾という決断に至る場合が非常に多くなってきています。
採用に関する取り組み考え方を改革する
食品業界はこれまである程度の人材確保が比較的スムーズにできてきた産業の一つでもあります。安定産業といわれる所以でもあり、不況下でも細々と採用活動は継続をしていたり、安定志向の学生や専門性を活かすために食品業界での就業を強く希望している求職者が多いのが実情です。
しかしながら現在でも、採用をしてやるといったいわば旧来の採用のスタンスを変えていない会社も多くあります、この選択肢の非常におおい現状ではなかなか求職者がこの会社で働きたいと思うことはできなくなってきています。採用するという立場は変わらないのですが、いい人材を自社に導くという新たな概念を少しでももって採用活動にあたるだけでも効果が変わってきます。就業の働き方改革だけではなく、自社の採用力を高めるためにも採用改革も必要な世の中になってきているのではないでしょうか。