人手不足と呼ばれ、採用難を極めている昨今で人事担当者の頭を悩ませている「人材採用」。とある転職サイトの情報から転職における目的や重視するポイントがかなり大きくずれてきていることがわかります。採用地域によって若干の違いはあるようですが、採用ターゲット別にみてみるとある程度の傾向をつかむことができ、採用活動におけるヒントとなる場合もあります。

転職の目的・実現したいことは年代別で異なる

転職市場は空前の動きを見せています。その中でも各企業がこぞって採用のボリュームを増やしているのはやはり若手採用となります。しかしながら価値観の多様化なのか、若手の心をつかむことが難しくスムーズに採用が出来ていないと言う話はよく聞きます。

20代・30代・40代・50代とそれぞれ積み上げたキャリアがありその年代別には、転職における目的・重視するポイントが大きく異なっております。その傾向やポイントを押さえておくことで、採用したい人材に出会った場合に自社に入社してもらう確率を高めることも可能になるのではないでしょうか。

20代の転職における重視するポイント

いわゆる若手層・第2新卒層といわれる転職市場における最大のボリュームゾーンの層が何を転職で実現したいのか?何を重視して転職先を探しているのかはある転職サイトのアンケート調査によると。

ワークライフバランス

安定

といったキーワードが上位に来るという事です。

ワークライフバランスは、働き方改革や、長時間労働是正、そしてプライベートと仕事の両立が叫ばれて久しいこの状況下で転職希望者のみならず仕事をする人々の大きな関心となってきているのは周知のとおりで、はっきりと次の職場に求めたいこととして給料や条件面、仕事のやりがいよりかも「ワークライフバランス」の取れる職場か、過度な負荷のかからない仕事なのかで転職先を決める傾向が強くあります。

採用担当者としてできることとしては、職業安定法の改正があった5条の3の労働条件の明示事項以外にも面接の際の働き方についての言及や転職サイトにおける表記にも残業が少なめ、時間では評価しない職場など求職者に直接働きやすい環境であることのアピールや説明は必須の感があります。

安定という部分に関しては、ITベンチャーやスタートアップ企業のニュースなどとは真逆のことを考えている若手が多いという事を改めて理解をしておくことが必要になってくるのではないでしょうか。食品業界企業におかれましては安定産業といわれる部分を前面に押し出して採用活動を行うことも十分効果的であるといえます。また最近の若手の方の転職カウンセリングを行う中で、「転勤がないポジション」を希望する方も多くあります。総合職なので転勤の可能性はなくはないといった風潮では今安定志向の若手採用は難しい部分もあるのかもしれません。

30代・40代の転職における重視するポイント

会社の中でもある程度経験を積んでキャリアを構築してきた層ですが、この方々たちの重視ポイントが

やりがい・さらなる成長

といったことがあげられるようです。かつての転職といえば当たり前の目的が比較的中堅層にはまだ存在をしているようです。企業としても即戦力採用を行う層だと考えられますので、通常通りの自社に引き込むそして人物像や能力、成長性を見極めたうえでの採用で問題ないことでしょう。

50代の転職における重視するポイント

最近では大企業の早期退職制度へのエントリーや、人生100歳時代と言われる中でのセカンドキャリアを構築していくための転職を行う方も多いようで、

社会貢献性ややりがいなど

を重視している方が多いという事です。この層になってくるとキャリアはもちろんのこと自社のカルチャーに合う人材なのか、どのように経験を活かしてもらえるかを検討したうえでの採用となりますので、自社の状況と求職者の考え方がマッチしているかを見極める採用が必要になってきます。

採用が難しい、募集を出しても応募がないといった人事採用の課題は若手層に多く集中しています。IT人材・AI人材には多額の年収を出しても採用するといったニュースもあったりしますが、大概の採用ではそこまで予算がかけれないと思いますので、何を目的としている人材なのかを見極めるところから、採用活動に及んでいくのもスムーズな採用の一つかもしれません。